事業実績 在来生態系の保全復元活動 上河原先生の手賀沼視察と意見交換会

上河原先生の手賀沼視察と意見交換会 2019/3 

日時  2019年3月29日(金) 9:30~14:10

会場  親水広場水の館の研修室
参加者 上河原献二(滋賀県立大学)、林紀男(千葉県立中央博物館)、小泉直弘(千葉県水質保全課副課長)、美手連 7名

※この視察は手賀沼流域フォーラム調査事業の一環です。

上河原先生の手賀沼視察と意見交換会

 年度末ではありますが、滋賀県立大学で環境法、環境政策がご専門の上河原教授を手賀沼にお招きすることになりました。現在、地域における外来生物管理の仕組みについて研究されており、侵略的外来生物のオオバナミズキンバイにフランスやイギリス社会がどのように対応してきたか、論文を出しておられます。今、手賀沼で猛威をふるっているオオバナにどのように対応したらよいか模索している私たちにとっては、願ったり叶ったりのご来訪となりました。

 まずは、手賀沼をアルバトロスヨットクラブのみずすまし号の船上から、あいにくの花冷えの中、視察していただきました。親水広場第2駐車場前の桟橋から出航し、上沼を回り、最後にハス群落へのコースです。私たちにとっては、2月13日の下沼の調査に続き、昨年11月25日以来の春の上沼の調査となりました。北岸一帯に枯れた赤茶色のオオバナの群落を確認し、目の当たりにした繁茂域拡大の実態に驚愕しました。

北岸一帯で確認した枯れた赤茶色のオオバナ群落の中に、一部新芽が密集している区域があった

大津川河口のナガエ・オオバナ大陸

下船後、親水広場水の館の研修室に移動し、館内のあびこ農産物直売所あびこんの出来たてのお弁当で冷えた体を温め、昼食タイム。

 午後からは、上河原先生と意見交換会です。冒頭、美手連の取り組みを半沢さんが千葉県生物学会で発表したパワポを使用し、説明。その後、質疑応答に入り、手賀沼での駆除活動に適した時期、どこから手をつけたらよいか、沼から船を使用し駆除する方法、除去物の処分の仕方と、ここぞとばかりに質問攻めとなりました。先生のご説明の中で、フランスでは、オオバナがすでに全域に拡散し手遅れになっているが、そこで活躍しているのが、キャタピラ付きの水陸両用船とのこと、手賀沼でも期待が高まります。一方、政府による迅速性を重視した戦略で、今のところ抑え込んでいるイギリスでは、「池の水全部抜く」ではないが、「池の底全部浚渫」という大胆な管理で成功しているとのこと、こちらは手賀沼には応用できそうにありませんが。
 また、千葉県水質保全課の小泉副課長から、県の外来水生植物対策事業についてのご説明もしていただきました。今回の意見交換会で知り得たことを今後の活動に活かして参りたいと思います。

※写真撮影:林紀男さん